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昨年の津南未来会議において、「津南の大地や自然、文化、生業などの地域資源を生かすことで、よそとの交流を活発にして、津南の農業や商工などの生業を、そして子供たちやお年寄りを元気にする。そんな津南の未来のために観光を活用して持続可能な地域づくりにつなげる『つなん型ツーリズム』を目指す」という観光地域づくりの目的を共有しました。
それは、ひとつは自然、伝統文化、生業など津南が持つ固有の魅力を価値化することです。そして、従来型のスポット・イベント観光にとどまらずに、訪れたお客様に町全体を回遊していただき住民と触れ合う滞在交流型観光を実現し、訪れたお客様にまちなかで心地よくお金を落としていただく仕組みや仕掛けをつくること。中長期的に農業、商工業、ITなど様々な分野で津南にしかない質が高く、稼げる産業を確立する、という方向性も共有しました。
津南の”今”と”未来”を見据えながら、地域の課題を共有し解決策を”みんな”で考える「津南未来会議」を
令和元年5月から9月までに5回開催しました。昨年の様子(未来会議2019はこちらから)
昨年に引き続き、平場の議論の場「津南未来会議」を開催します。今年度上半期に予定していた会議は延期となりましたが、改めて多様な主体の課題・活動・情報・ノウハウを共有する場として、未来会議を開催しました。今回は個別・具体的な課題として「中等教育学校の存続について」を町⺠、企業、町、学校などさまざまな立場が一緒になって議論しました。
9月26日 午後1時半~4時半
参加者 38名
プログラム
第一部 津南中等教育学校 事例紹介(津南中等教育学校の概要について [PDFファイル/687KB)
津南中等教育学校 教諭 小山尚之氏
第二部 参加者によるワールドカフェ形式の意見交換会
テーマ「5年後、津南中等校がどうあってほしいか?」
ファシリテーター フジノケン氏
会議の後半は7つのグループに分かれワールドカフェを行いました。最後はそれぞれのグループから出された意見を発表しました。
どの班からも、
・学校の魅力や実際についてのアピール不足
・学校、教育の改善・地域とのつながりについて
・卒業生とのつながりについて
・学校同士のつながりについて
課題がある事を全体で共有することができました。
教員や生徒からは
・地域と学校を繋ぐ役割を担い、生徒の学びを充実させ、地域に貢献できる学校をめざす
・通学に対する補助などをお願いしたい
卒業生からは
・もう少し在校生とのかかわりをもてたらいい
・夢の実現に合わせた「OB、OG」の人生の見える化
地域住民からは
・地域と学校との連携、広域から通ってもらえるような学校の特色化
・学校と地域が連携する場づくり、情報発信のお手伝い
津南未来会議についても
・楽しかった。ときどき話題になる問題を取り上げてほしい
・この会議をもっと町に浸透させるべき。町のひとにたくさん知ってもらうべき。
といった声が聞かれました。
・中等校と地域とのつながりを深める必要があり、そのためにはつなぎ役としてのコーディネーターの存在が不可欠という認識を共有できた
・要望書の提出や後援会の設置の動きについて共有できた
・卒業生としての意義や役割が確認できた
・情報共有を通して応援団を増やしていけることがわかった
・魅力があるのにもかかわらずアピール不足だということが分かった
・中高一貫校の必要性について地域内外にアピールできた
・幅広く意見交換できてよかった
・小学校の先生にも聞いてほしい
・ワールドカフェ形式はよかった
・もっと気楽なカフェ感を出してほしい
・多くの人に参加してもらう
・動画配信する
・専門部(農業・観光)などとともに専門部として定期的に会を持つべき
・専門家を入れて議論してはどうか
・中等教育学校のHPに載せてはどうか
・しっかりと進めていく組織を地域に作ってはどうか
・小学生の親がもっと参加してもらえるといい
会議後にとったアンケートでは、ほとんどの方がおおむね満足といった結果になりました。今後もみなさんからのご意見や、つながりを作るためにさまざまなものをテーマに津南未来会議を行うことを検討しています。
津南中等教育学校は探求総合学習に積極的に取り組んでいます。
昨年行われた「津南中等教育学校の未来を考える会」でも課題として挙げられた、地域との連携について、行政や議会、住民のかたにも探究学習で学んだことの成果を知ってもらおうと、発表会が開催されました。
当日は各学年の優秀企画各3チーム(計9組)が地域住民6名、町会議員4名、行政関係17名のまえで、発表しました。
また、新聞やテレビ局も5社から取材いただきました。
各チームの気持ちのこもったプレゼンテーションは学生とは思えないほど堂々とした発表でした。
若い人の目線、力で考えたアイディアを形あるものにするためには、よりさまざまな分野のかたに共有する必要があります。大切なのはもっと地域と学校、行政、議会、民間のかたが連携していくこと。そのきっかけとなる会となりました。
学習指導要領の改訂の中で「探求学習」(小中学生は「総合学習」)が創設され、
学生自ら課題を見つけ、学習を深め、大人などとの対話の中で、解決策を提案するまでを学ぶという内容です。
4年生は全国の高校生が参加する「クエストカップ」を題材にし、
5年生は地域ビジネス、大地の芸術祭、防災・ジオパークをテーマに
それぞれ発表しました。4年生はクエストカップで3組が優秀賞に選ばれ、
そのうち1組が部門でグランプリとなるなど、非常にレベルが高く、
また5年生も防災の分野で全国大会に出場し発表を行いました。
自分たちで調べることだけでなく、先進的な活動を行っている地域の人に話を聞いたり、
逆に地域に何か貢献できることを探したり。学生の課題発見は最も身近な「地域」こそリアリティがあるため、
今後は今まで以上に地域との連携に力をいれ、より学校の魅力化につなげていきます。